男は何の役に立っているんだろう
小説の一節です (字義どおりにとりすぎないよう お願い申し上げます)=================== 三十年たっても、 彼は結局同じ結論に到るのみだった。 何と言っても、 女の方が男より善良なのだ。 女の方が優しく、 愛情に満ち、 思いやりがあって温和。 暴力やエゴイズム、 自己主張、 残酷さに走る度合いが男よりは低い。 そのうえより分別があり、 頭がよく、 働き者である。 結局のところ、...
View Articleアベノミクスと通貨戦争
いわゆる「アベノミクス」に対しては 賛否両論が大きく分かれている相当に実験的な、厳密にいえば歴史的に前例のない政策であるため万が一の場合、その責任をどうとるつもりなのか、という慎重派の立場には 一理ある一方、支持派の期待と熱狂も 大いに分かるこのまま真綿で首を絞められるように弱り死んでいくのではないか…そうした恐怖は 実にリアルなものであるからださて…今日の朝日新聞(朝刊)に...
View Article童話は子供だましの低級な文学ジャンルなのか
山室静は アンデルセン評伝(原1975年) のなかでこう書いている==================== それ [ブランデスが描くアンデルセンの顔]...
View Article「安心社会」のなかの刑務所
今日の朝日新聞の朝刊、インタビュー頁「オピニオン」刑務所から見えるもの犯罪学者・ 浜井浩一先生(龍谷大教授 元法務官僚) のお話だった部分的に引用しておく====================[日本には]...
View Article経産省の介入派と制度派、あるいはグローバル化の下での経済ナショナリズム
2013年1月21日付 朝日新聞朝刊に シリーズ「限界にっぽん」の記事が載った構成がなんだかややこしいのだが、どうやら「第2部 雇用と成長 大阪から⑤」 というのが総括タイトルのようだ1面と6面、二つに分かれているネット記事に出てくる「眼中に日本なし」という句は 紙面にはない技術のみ込む膨らむ竜介入政策の復活 「先端企業...
View Articleすぐれた童話が乏しい理由、あるいは真の童話に求められるもの
エントリ 「童話は子供だましの低級な文学ジャンルなのか」の続報山室静先生のノヴァーリス論は 読みやすく面白いです====================...
View Article蕗の薹のあみ焼きと道元禅師
棚橋俊夫さんに教えていただいた精進料理の高み、深み…その後 この本をたまたま手にし、何度も読み返してきた最近また読んだ、1章ずつ熟読しているなんだかふかく感動してしまって2013年、今年から 精進料理らしき料理を始めてみよう、と決意したです部分引用しにくい文章なんですが ちょいと一節をご紹介====================...
View Article宗教概念批判の哲学的基礎づけ
来年度後期の演習では 新田義弘先生の『現象学と解釈学』 を読もうと思う宗教概念批判はすでに十分一周した感があるのであらためてその哲学的基盤について この辺りから基盤固めをしておこうというわけだ演習の表題はしたがって 「宗教概念批判の哲学的基盤」 とでもなろうか現象学も解釈学も ある重大な限界をもっているが1) まずは入口として これは全く適当だ2) 新田先生が...
View Articleフッサールの自然主義批判
前便 「宗教概念批判の哲学的基礎づけ」の 直接のつづきですフッサール(とくに『イデーン』まで)の哲学を 新田先生が要約なさってます2013年度後期の「宗教学演習」のためのメモになります長くなりますが お付き合いをばお願いいたします====================...
View Article宗教学の立場から近代性を考えなおしてみた
今、ツイッターの方で書いたこと僕にとって大事なんだけど ツイッターだと流れていってしまうのでちょいとこちらに記しなおすことにした====================近代的言説=制度を客体の側へと収斂する補助線にそって整理してみる――まず公理が 「人間の生の集合性」 んで、そこから導出される問題系は① 育児と社会化と再生産、公共性と国家権力② 宗教と世俗、公私区分と政教分離③...
View Articleロマン主義のお勉強のために 【文献リスト】
ツイッター上で ロマン主義を勉強したい、と囀ったそしたら 某西洋政治思想史家から(実名だがカギ付きのアカウントを使ってらっしゃるので お名前はふせる)オススメの本をご紹介いただいた大変ありがとうございます せっかくなので...
View Article1970年の東京 ―浅田次郎 『霞町物語』 より
浅田次郎 『霞町物語』 の主人公は1970年に18歳になる一人の青年ですつまり、1952年生まれ 浅田さんより一つ年下(12月生まれの浅田さんからすれば ほぼ同い年)この物語のなかで語られる、1970年の東京を集めてみましたそれは再構成された一つの断面にすぎないでしょうが 何かしらの「事実」を含んでいるように ボクには思われます====================...
View Article3/3 「藝術の宗教学」研究会 映画部門(関東)第2回研究会 『崖の上のポニョ』を観る
東日本大震災のため 流れに流れていたこの企画諸方面からのお力添えで再開することにいたしました====================「藝術の宗教学」研究会映画部門(東京) 第2回研究会―― 「童話・神話・《ホラー》 ―『崖の上のポニョ』から―」 ――日時: 3月3日(日)14時~18時 14:00~14:10 はじめに 14:10~14:50 近藤による研究発表 「童話・神話・《ホラー》」...
View Article一途な情熱は石ころを宝石に変える場合もある
僕は1990年に大学を卒業した、立派なバブル世代その頃と今現在―― 「虚仮の一念」 「器用貧乏」、 この慣用句の意義は少しも変わっていないように思う==================== 自分自身のそうした人生に思いを致せば、より豊かにより公平になった今の社会に生きる青年たちは、むしろ不幸なのではあるまいか。つまり自分の未来を托すべき選択肢が余りに多すぎて、一途になれぬのではなかろうかと思う。...
View Article1970年代後半~80年代の東京 ―シラケ世代、もしくは輝かしさに裏切られた世代
先日 「1970年の東京 ―浅田次郎 『霞町物語』 より」というエントリを書きましたそれへの補足です宮台真司先生(59年生)は 『終わりなき日常を生きろ』 のなかで70年代の若者文化について書いていますそこで披歴される記憶/感覚と 浅田次郎さんのものとはきれいにつながっているように思われますなお、上の文庫は98年刊ですが 原著は95年に出されたものです====================...
View Article右翼とは何か、あるいは右翼と宗教 ――宮台真司(2005)より
ボクの専門は 宗教ナショナリズム ですから「宗教と右翼」 という問題、 そもそも 「右翼とは何か」 という問題これは中核的な関心事ですさてここで確認しておきたい当たり前のことは右とは左との対であり、 さらに左右の中間領域がある、ということですこうした左右に開く構図のなかで 「右翼」 は考えられねばならないつまり、 右翼を考えるものは 左翼をよく考えねばならない(さらには...
View Articleホンモノの右翼とは何か ――宮台真司(2005)より
前便 「右翼とは何か、あるいは右翼と宗教」の続便ですここでは 「ホンモノ」の右翼とは何か、語られています宮台真司先生と北田暁大先生との対談集(2005年刊)より宮台先生の発言の一節です========================================...
View Articleホンモノ右翼とヘタレ右翼の違い ――宮台真司(2005)より
前便 「ホンモノの右翼とは何か」の続便です宮台真司先生と北田暁大先生との対談集(2005年刊)より宮台先生の発言の一節です少々長くなりますが お付き合いのほどを _(._.)_========================================...
View Articleリトアニアの異教の歴史
最近、思うところあって サンクトペテルブルクについて調べておりますんで、入口として選んだのがこの本すごく興味ぶかい記述が多いのですが その中から一段落をば抜粋します====================...
View Article《映画の宗教学》 もしくは 「宗教と映画」論の課題 その2
以前、「《映画の宗教学》 もしくは 「宗教と映画」論の課題」というエントリを書きましたその続編です今日、 ツイッタで書いたのを...
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