中国における「自然」の意味
以前、「現代日本語における自然」 というエントリを書きましたその続便でございます日本語の概念を反省しようとするなら まずは中国語ですなぁ===================中国における「自然」という言葉の本来の意味は、「おのずからなる状態」をさし、「他者の作為や力によるのではなく、それ自身のうちにある働きによって、そうなること」を原義としている。ここでは、この「自然」の「自ら然る」...
View Article日本仏教の全体像
先日、学生さんに 「日本仏教の全体像」 を説明できなかったボクがよく理解してなかったのである… なんてことが頭の片隅にのこっていたので 次の一節には大いに膝をうった今度からは これを元にいろいろ説明することにしよう (>_<)====================...
View Article「宗教紛争」「宗教戦争」という名づけはあまりに問題含みである
いま書いている文章の一節――====================「宗教紛争」という名づけはまったく表層的で、真相はきっとおそろしいほど複雑であるにちがいない ――...
View Article現代宗教学の宗教入門 ―中村圭志 『教養としての宗教入門』
前々便 「日本仏教の全体像」でも紹介した中村圭志先生の新刊書 『教養としての宗教入門』ご恵贈をいただき 読み終わりましたさすが中村先生! 大変読みやすく しかもポイントを悉くはずしません!すごいなぁ… (>_<) どういう本か。 最初の部分にまさしく書かれてあるとおりですアマゾンの「なか見!検索」...
View Article宗教への考えや体験、あるいは「濃い宗教」
前便 「現代宗教学の宗教入門 ―中村圭志 『教養としての宗教入門』」につづきもう一冊、 宗教(学)入門を紹介してみようこの二冊をならべてみるといま、この分野の専門家が なにを賭け金にしているかかなりよくわかる、 と思うポイントはいくつかあるのだけど ここでボクが注目したいのは中村先生が 「濃い宗教」 と呼んでいるものをめぐる 《人間=社会=歴史》 論であります==========というわけで...
View Article世俗人、あるいは資本家と資本主義者
近代性について考えていくと、 国民国家と資本主義のところで どうにも行き詰りますいずれもが、近代を決定的に規定するのですがいずれもが、近代性の原則 「人間主義・個人主義・合理主義」とうまく合致しないからですここら辺は こつこつと考えてきましたが やっぱりまだ上手い答えがみつかってませんさらに こつこつと勉強していくしかなさそうですということで…...
View Article西ヨーロッパの宗教状況、あるいは世俗化と「見えない宗教」
ナタリ・リュカ著/伊達聖伸訳 『セクトの宗教社会学』 読了訳者の伊達さんにご恵贈いただいた >ありがとー、伊達さんとっても素晴しい一冊だった前便 「世俗人、あるいは資本家と資本主義者」で紹介したのもこの本セクト論概説という、リュカのねらいとは別のところを引用させていただいたわけだがここでもまた リュカの本論からすれば補足的なところに興味がいったので紹介させていただきたい==========リュカは...
View Article中華民族主義、もしくは漢民族復興主義
2015年2月25日付 朝日新聞 朝刊に(インタビュー)「中華民族復興」 パトリック・ルーカスさんという記事がのった。 ネット上でも読めるナショナリズム研究者の端くれとして言わせてもらえばこれぞまさに 最も基本的なナショナリズム論!そしてこれが全てといってよい! アルファにしてオメガであるなお、記事によれば、ルーカス先生は 中国語で 「民族主義」 という概念を使っていたらしい。...
View Article田中智学の八紘一宇
「八紘一宇」という言葉が いきなり話題になってるハフィントン・ポストの記事がすごくよいので 助かる「八紘一宇」とは何か? 三原じゅん子議員が発言した言葉はGHQが禁止していたまぁいろいろ論じることはあるが… 上の記事を補足する情報をちょいとメモしておこう島薗進先生の 『日本仏教の社会倫理』 の一節である====================...
View Article収容所の女の子、もしくは宗教起源論
石井光太さん、『戦場の都市伝説』 より抜粋====================収容所の女の子 ナチスの強制収容所に、捕虜となったフランスの兵士たちが閉じ込められることとなった。彼らはガス室での処刑を待つばかりの身となり絶望で発狂しそうになった。そこで彼らは話し合い、正気を保つためにあるルールを決めた。...
View Article批評とは何か、あるいは佐々木敦がやりたいこと
今年、佐々木敦さん 『「批評」とは何か? 批評家養成ギブス』 をひとつの授業の教科書に指定しましたもはや入手困難は一冊なので、いくつか抜き書きをしておきたいと思います受講生の皆さんに 届け!===================...
View Article【公開講座】 インド現代史
昨年秋、 「インドの今を知る」 という講座をさせていただきました受講者の皆さんにご好評をいただいた、ということで(^^)この春にも 同様のものをさせていただくことになりました 感謝ですぜひご参加くださいませ ⇒ 申し込みはこちらから(要 無料会員登録)====================インド現代史―政治や経済のうごき、社会や文化のしくみ―日時: 4月22日(水)、5月13日(水) いずれも...
View Article批評とは何か、あるいは「可能性の中心」/向こう側の世界
「批評」 とは何か引き続き、佐々木敦 『「批評」とは何か?』 からの引用をします前便 「批評家とは何か、あるいは佐々木敦がやりたいこと」前便では 最終章から引用しましたので ここでは最初の章から四つの断章をば (-"-)最後の四つ目の断章(「可能性の中心」をめぐる断章)へと収束するような引用になってます====================...
View Article宗教、表現作品、批評
宗教と世俗の問題のなかで 藝術をかんがえる、というのをいろいろやってきましたたとえば「《映画の宗教学》 もしくは 「宗教と映画」論の課題」 というエントリなんかが一応 全体の理論的布置をまとめてたりしますし「01F 藝術の宗教学 改め Economimesis R&D」 というカテゴリでいろいろ書きためたりしてきましたんでもって、いま授業のひとつで 「批評」 をやっててですねそこで...
View Article近代経済人の宗教的根源
宗教と経済、宗教と資本主義 の関係については これまで「近代精神」「世俗の思想家たち」などのエントリで少しずつ考えてきましたんでもって、ここでは そのものズバリのタイトルをもつ梅津順一 『近代経済人の宗教的根源』 を紹介したいと思いますお察しのとおり、ウエーバーの「プロ倫」テーゼ再考の一冊です冒頭の二段落を書き抜きますね====================...
View Article日本教的ファンダメンタリズムの大成者
「日本教」「空気」で有名な、山本七平の日本学を読んでいるどうやら、山本直樹との対談 『日本教の社会学』 が定番らしいというのでそれに手をつけてみたなるほど面白い、これまでボクなりに考えてきたことが...
View Article日本教における自然
前便 「日本教的ファンダメンタリズムの大成者」にひきつづき山本七平・小室直樹の対談 『日本教の社会学』 からの引用です「自然」概念については 独自に研究したことがありますが日本教論において こんなに中核的な概念であることには当時、まったく無自覚でした お恥ずかしい=====================山本...
View Article日本教の教義としての「空気」
前便 「日本教における自然」前々便 「日本教的ファンダメンタリズムの大成者」とつづけてきた山本日本学の引用、三つ目になります「空気」 を「日本教のドグマ」として位置づける小室先生の整理は お見事各論としてはよくわかるのに、組織的な理解にはなかなかできないのが山本日本学なわけですがそれを、小室先生がみごとに構造化してくれます====================小室 […]...
View Article儒学を入れるしかなかった近世神道、そして尊皇倒幕へ
山本七平・小室直樹 『日本教の社会学』 からの引用をつづけます「日本教的ファンダメンタリズムの大成者」 「日本教における自然」「日本教の教義としての「空気」」につづいて、四つ目のエントリになります====================山本...
View Article世間とは何か
今年度、ある授業で 「現代日本の道徳と宗教」 をテーマにかかげている日本研究者でないので、今更いろいろ勉強している山本七平・小室直樹 『日本教の社会学』を読み終わったのでつぎは、阿部謹也 『「世間」とは何か』に手をだした阿部先生の思索は、じつにマイルドで馴染みやすい教養人、文化人としての落ち着きと懐のふかさを感じさせる(対して、山本・小室の言葉はエッジが立っていて まさに事態を切り裂いていく!)阿部...
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