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中華民族主義、もしくは漢民族復興主義

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2015年2月25日付 朝日新聞 朝刊に

(インタビュー)「中華民族復興」 パトリック・ルーカスさん

という記事がのった。 ネット上でも読める

ナショナリズム研究者の端くれとして言わせてもらえば

これぞまさに 最も基本的なナショナリズム論!

そしてこれが全てといってよい! アルファにしてオメガである

なお、記事によれば、ルーカス先生は 中国語で 「民族主義」 という概念を使っていたらしい。 nationalism と 民族主義 (中) との異同については、別に議論する必要はあろうが、ともかく これは秀逸な 「文化ナショナリズム」 論だ

以下、部分的に抜粋しておく

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愛国主義には健康的な部分もあり、必ずしも他者を傷つけるわけではありません。民族主義はそもそもが差別意識であり、他者を必要とする。そして往々にしてその他者に害を与えます。『我々は別の人々よりも優れており、特別』、だから、『我々はやりたいことができる』。それが基本理論です。

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共産主義はいわば淘汰され、民族主義が統治に使われ始めたのです。

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民族主義を広めるのは実はびっくりするくらい簡単です。理論が簡単、というより空っぽですから。

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指導者やエリートが『我々の社会は元々こうだ』と言い出すと、人々はわりと簡単に歴史認識を変えてしまいます。それだけ民族主義は、統治者にとって使いやすい道具ということなのです。

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正確に言えば、中国の民族主義は中国人全体の民族主義ではありません。漢族の民族主義です。

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誤解のないように言っておきたいのですが、中国のすべてが民族主義というわけではありません。民族主義だけで中国を定義してはいけません。


<引用おわり>


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さて、ここでむずかしいのは 「宗教とナショナリズム」 論である

一見するとむずかしそうでないのだが、 これは本当にむずかしい問題だ

公理は次のふたつ

  • 宗教とナショナリズムとは相いれない
  • 宗教とナショナリズムをつなぐのは 「文化」と「歴史」 である

ここから、どういう論を展開していくか…

現代宗教の動態を精確にみすえた理論は 世界のどこでも出てないと思う

ユルゲンスマイヤーでは もう全く! ダメ! だと思う

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